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京都 醍醐寺

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霊宝館の仏像棟で、金堂本尊・薬師三尊像を特別公開

霊宝館の仏像棟で、金堂本尊・薬師三尊像を特別公開(終了いたしました。)

世界文化遺産に登録されている醍醐寺では、このほど経年変化の傷みのための修理を終えて戻ったばかりの、金堂の本尊『薬師三尊像(重要文化財)』、平安時代の絵画『閻魔天像(国宝)』(絹本著色)を、下記の通り、霊宝館の仏像棟で特別公開いたします。お堂で参拝するよりも、ぐっと近くで拝観していただけるまたとない機会です。どうぞご参拝ください。

その他、御堂形式の仏像棟のなかには、国宝・五重塔の建築部材で彩色(さいしき)が施された旧四天柱(きゅうしてんばしら、国宝)を中心に、『如意輪観音像』(平安)をはじめ『大日如来像(金剛界)』(平安)、『不動明王像』(平安)など、通常公開していない仏像を安置し、あわせて公開しております。

■期 間:平成22(2010)年5月18日(火)~8月31日(火)

■時 間: 9:00~16:30(受付終了)、17:00閉門

■拝観料:大人600円、中学・高校生300円 ※小学生以下は無料

仏像棟特別公開 展示目録

  場 所 作 品 名 時 代
1 仏像棟 薬師三尊像(やくしさんそんぞう) 鎌倉
2 仏像棟 閻魔天像(えんまてんぞう) ※仏画 平安
3 仏像棟 五重塔旧四天柱(ごじゅうのとうきゅうしてんちゅう) 平安
4 仏像棟    五重塔相輪継輪(ごじゅうのとうそうりんつぎわ) 鎌倉
5 仏像棟    五重塔鬼瓦(ごじゅうのとうおにがわら) 江戸
6 仏像棟    五重塔組物(斗栱)(ごじゅうのとうくみもの(ときょう)) 平安
7 仏像棟    如意輪観音坐像(にょいりんかんのんざぞう) 平安
8 仏像棟    千手観音立像(せんじゅかんのんりゅうぞう) 江戸
9 仏像棟    釈迦如来および両脇侍像(しゃかにょらいおよびりょうきょうじぞう) 平安
10 仏像棟    大日如来坐像 金剛界(だいにちにょらいざぞう こんごうかい) 平安
11 仏像棟    阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう) 平安
12 仏像棟    愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう) 江戸
13 仏像棟    不動明王及び二童子像(ふどうみょうおうおよびにどうじぞう) 平安
14 仏像棟    厨子(ずし) 江戸

※●=国宝指定 ◎=重要文化財指定

※出陳品は、都合により変更する場合がございます。ご了承ください。

主な展示の説明-重要文化財・薬師三尊像(鎌倉時代) 木造

1929(昭和4)年に国の重要文化財に指定。このほど「80年ぶりの修理」を終えて戻ってまいりましたが、金堂の須弥壇(しゅみだん)へお祀(まつ)りする前に、近くで拝観していただける霊宝館にて公開することにいたしました。

薬師三尊像は1598(慶長3)年、豊臣秀吉の命によって、金堂の建物とともに紀州(和歌山県)湯浅の満願寺(まんがんじ)から移されたといわれる鎌倉時代の仏像です。 薬師如来は、あらゆる病を癒し、寿命を延ばす現世利益の仏として、飛鳥時代から信仰され、各時代に多く残されている尊像。醍醐寺のお薬師さまは、気品と荘厳さを兼ね備え、現在、西国四十九薬師霊場の第三十九番札所本尊としても信仰を集めています。

本像は、均整のとれた体形で、ヒノキ材の寄せ木づくり。香木(こうぼく)を模して、素木(しらき)の像の表面にうっすら赤みをつけ、衣(ころも)は線状に切った金箔を貼って、幾何学模様を描く「切金(きりかね)」という技法で装飾されています。右手は人々の恐れを取り除く「施無畏(せむい)の印」を結び、左手には薬の入った「薬壺(やっこ)」を持っています。目は水晶がはめ込まれた「玉眼(ぎょくがん)」で、髪に群青(ぐんじょう)、眉髭(まゆひげ)に墨(すみ)、唇(くちびる)に朱色をほどこしており、木の柔らかな質感、潤んだ目からは、まるで生きているかのような温かみ味が感じられます。

 ◆薬師如来:像高132・1cm ◆日光菩薩:像高145・4cm ◆月光菩薩:像高145・6cm

重要文化財・薬師三尊像

重要文化財・薬師三尊像 ※手前より、月光菩薩、薬師如来、日光菩薩

主な展示の説明-国宝・閻魔天像(平安時代) 絹本著色(けんぽんちゃくしょく)

1956(昭和31)年に国宝に指定。古代インド神話に登場する閻魔天が牛にまたがる様子が描かれています。亡者を裁く恐ろしい閻魔大王の姿とは違い、白い牛に乗った優雅な美男が描かれているこの像は、2008(平成20)年から2年ほどの歳月をかけて修理され、このほど戻ってきました。

密教では十二天の一つで、優雅な美男の姿をしています。延命・息災・安産を祈願する閻魔天供法(えんまてんぐほう)という修法(しゅほう)の本尊としても用いられました。

この像は宮中の高貴な女性の安産を祈願してつくられたとの説もあり、全体に穏やかな雰囲気をたたえています。その作風から12世紀前半の作品と考えられています。

 ◆縦129・4cm×横65・3cm

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